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新・南天通信

2007.2.26

まさ八さん

お年寄りのホーム「わいわい」のミーティングが終わって、連れ合いさんと夜めしを食べに行った。西庁舎の近くのうどん屋「まさ八さん」は、味もしっかりで、とても気楽に入れる店である。そこの大将とおかみさんは、我が家やグループホーム「さん・れいく」のつい目と鼻の先に住んでおられることもあって時々通う。

この夜もどてやき一皿とビールを頼み、最後はいつものように親子どんぶりをパクついた。ビールを飲みながら連れ合いさんとしゃべってると、大将とおかみさんが話しかけてこられた。

「溝口さん、あたらしいホームも大分出来てきましたねえ。近くまで行ってびっくりしました。とても広いところで、しかも大きく立派な建物で・・・」「みなさんの協力で、本当にありがたいことです。彼らもとても楽しみにしています。」とやりとりが続いた。

二戸一に改良されていた公営(県営)住宅を、滋賀県や石部町の協力もあり、10年前に、社会福祉法人大木会さんから運営をまかされて「グループホームさん・れいく」としてオープンした。(株)なんてん共働サービスや北斗産業(株)で働く知的障碍のある人たちの住まいとして公営住宅が開放されたのは、当時としては画期的であった。しかし、その後建物の老朽化が進み、また、そこで暮らす人たちの体の衰えも目立ち始めるようになった。

2005年の1月、その「さん・れいく」に住む桑原君たちと一緒に短期のデンマーク研修へ出かけた。街かどにある信じられないくらい広くて居住環境の整ったグループホームに住み、まさに自立して暮らす障碍者と出会って、私たちは「さん・れいく」の移転整備の意を固めた。

大将が続けて話してくれた。「山ちゃん、新しいホーム楽しみやろう、いいな本当に!と言うと、山ちゃんがこう言うんですよ」「立派やろう。でも、おっちゃんともう会えへんくなんのやなあ。ぼくら寂しいわ」。「何言うんやなあ、新しいホームいうたってすぐそこやないか。そんなこと言うとおっちゃんの方が悲しくなるわ」

仕事の行き帰りの際や、ホームとまさ八さんの家の間にある自動販売機を囲んで挨拶や日常会話を交わしてきた山ちゃんにとっては、移転先がほんの100mでも別れは別れなのである。同じように桑原君は、懇意?にしていた吉田さんのおっちゃんたちと、また、佐々木君は、溝掃除ですっかり馴染みになった齋藤さんや内記さんたちと、それぞれの別れがやってくることになる。

10年ちょっとのおつきあいであったが、こうした生活を通じた日常的なやりとりでお互いの心が耕される。まさ八さんの本当に寂しそうな表情を見て、私たちも"うるるん"ときてしまった。

25年間、メンバーや支援する人たちと一緒になって、地域の中で働き暮らし続けてきたことが報われたような、とても嬉しい一夜であった。

 

 

 

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