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新・南天通信

2011.9.03

江州音頭

滋賀の代表的な盆踊りである「江州音頭」が、独特の節回しで流れる。そしてその音頭取りに合わせて、小さな太鼓や鐘の囃しが続く。中央に仕立られた簡易のやぐらを中心にして人々が踊る。ねじりはちまきをしたおっちゃん、うちわを片手にしたおばちゃん、小さい子どもの手を引く若いおかあさん、グループホームに住む障碍(がい)のある人たち・・・何十人もの人たちが、時には音頭取りに間の手を入れながら踊り続ける。

 

踊りの途中、中学生のグループが飛び入った。比較的のんびりした踊り方はまどろっこしいとばかりに、走りながら踊り始めた。若いだけに間の手も実に元気がよく、踊りの輪も元気づく。

踊りの光景は余所の夏まつりと何ら変わらないが、その雰囲気は暖かく柔らかい。自分流で踊る障碍のある人たちの前後で、ごく自然におっちゃん、おばちゃんたちが踊り、その輪の外側で若いおにいちゃんたちが、これまた若者風で踊る。

 

1970年、近江学園に先駆けて4つの施設がここ石部の地に移転してきた。約300名近くの知的障碍を抱える子どもや大人の人たちがいっぺんに移ってきたので、住民の殆どはびっくりした。特に近江学園や一麦寮、落穂寮のある村の人たちほ、いきなり始まった複数の歩行グループに出会って驚いた。さらに移転間なしから起こってしまったトラブル、家に入り込んで冷蔵庫のジュースを失敬する、炊飯器のごはんを食べるなどといったことに対して、怒りを忘れてしまうほどの驚きを覚えられた。

トラブルのたびに、その子どもと一緒に、私たち職員が出向き謝罪と説明を繰り返した。何回も続く迷惑行為に怒りを爆発させられた村の人たちに、ただひたすら頭を下げた。2,3年経ち、村の人たちと職員との交流が始まった。運動会の二人三脚で肩を組んだり、町のバレーボール大会に一緒に出たり、後の慰労会で盃を交わしたりした。

 

またその頃から、施設と小学校や中学校との交流行事も始まった。最初はこわごわであった子ども達も、回を重ねるごとに馴染んでいった。

1981年からなんてんやグループホームの取り組みが始まった。大規模では地域の中で共に生きには限界があると、小規模・地域分散の仕組みとした。地域の人たちが日常の生活を通して、自然に障碍のある人たちと接することが大事と活動を続けた。

しかし、なんてんやグループホームも、同じように石部の人たちに数多くの迷惑をかけてきた。施設時代と同じように謝罪と説明を繰り返した。

 

施設移転から40年、なんてんやグループホーム創設から30年、街や村の人たちの努力と忍耐(?)と、施設やなんてんの辛抱強い取り組みが実ってやっとここまで来た。

南区の江州音頭の輪が、ここ湖南市のあちこちに、いや県内や全国の各地に拡がっていくよう、これからも街や村の人たちと一緒に歩んでゆきたい。

 

 

 

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